なぜ検定試験と市販の対策本の間にギャップがあるのか。
通信講座「篠研の日本語教育能力検定対策」
では、目下、平成29年から令和2年までの
検定試験の過去問の内容を講義資料に盛り
込む作業をしています。
問題の問いレベルまで詳細に盛り込んでい
るので、なかなか大変です。
まず、どの講義資料のどの章に盛り込む
のが最もわかりやすいかから検討し、
専門的内容を初学者にもわかりやすい
ように、言葉を選んで執筆する。
私の専門外の内容もあるので、その場合は、
関連する専門書を読み漁り、
自分の中でしっかりインテイクしてから
執筆するようにしています。
講義資料の作成から数えて、かれこれ
8年ほどやっていますが、
おかげさまで、そんじょそこらの対策本
とは、比べ物にならないほど詳しく、
かつ網羅的で、わかりやすいものになっ
ています(自画自賛(^_^))
そもそも、
「検定試験の過去問を講義資料に盛り込む
プロジェクト」
を始めたきっかけは、複数の篠研会員様から
「他の通信講座も受けているのですが、
その講座のテキストが全体的に古く、
また、内容も詰めが甘いため、
検定試験の過去問を解いても、
なかなか解けない。
検定試験レベルの力がついているのか
不安。」
というお声をいただいたからでした。
そこで、
「せめて篠研の講義資料は、本試験との
ギャップがないよう、過去10年分の問題
をすべて盛り込もう。」
そう思って始めたのです。
これは、何より自分自身に対する挑戦です。
ところで、どうして巷の対策本と本試験
との間にギャップがあるのか
(少なくともそう感じてしまうのか)。
それは、それを執筆する筆者(多くはその
分野を専門とする大学教員)が、
日本語教育能力検定試験の出題状況につい
て、実はあまり知らないからだと思われま
す。
そりゃそうですね。
別に検定試験対策を生業にしているわけ
ではありませんので。
試験対策など、研究テーマにはまずなり
ませんし。
中には、検定試験なんて受けたこともない
という執筆の先生もいらっしゃいます。
かといって、出版社のスタッフが執筆する
わけにもいきません。
かくして、検定試験と巷の対策本にはどう
にも埋めがたいギャップが生じてしまう
というわけなのです。
実は、私自身も過去10年の問題の問い1つ
1つが155項目に及ぶ講義資料のどの項目に
紐づいているのか、
本プロジェクトをするまで調べたことが
ありませんでした。
私もまた、数年前まで
「この分野は大体このような問題が出題
されるんじゃない?」
ぐらいの認識しかなかったのです。
ですが、これはこれから検定試験を受け
ようとしている方々にとっては、嬉しく
ない話です。
「これではいかん。
篠研の講義資料も同じような状態なら
会員様から感動レベルの支持は得られ
ない。」
そう思い、思い切って取り組み始めました。
作業の大変さは、最初から分かっていたので
公言するには勇気がいりましたが、
公言することで退路を断たなければ、最後まで
やり切ることはできないと考えました。
そうして、去年、平成19年から28年までの
過去問の内容をすべて盛り込むことに成功
しました。
現在、平成29年から令和2年までの検定試験
の過去問の内容を講義資料に盛り込む作業を
しています。
なんとか本年度中に終わらせたいと考えて
いますので、皆様、応援してくださいね。