公認日本語教師制度の論点-日本語教育機関の類型化(1)

去る2月26日、

「第3回日本語教師の資格に関する調査研究
協力者会議」

が開催されました。

これは、公認日本語教師制度をどのように
設計するかについての会議で、

この様子はYouTubeでもライブ配信されま
したので、ご覧になった方も多いと思います。

また、当日の配布資料も文化庁のサイトで
公開されていますので、ご覧ください。

日本語教師の資格に関する調査研究協力者
会議(第3回)
https://bit.ly/2PoeKfB

で、今回の会議で最も議論されたのは、

「日本語教育機関の類型化」

です。

どういうことかというと、

そもそも公認日本語教師という制度は、
日本語教師のキャリアパスの一環として
整備される制度です。

だから、資格を取った教師が、その後
資格を活かしてさまざまな日本語教育
機関で働くことになるわけです。

その際、国内の学習者が増加・多様化し、
現在すでにさまざまな形の日本語教育
サービスを提供する教育機関がある中で、

本制度が、どこまでの日本語教育サービ
スを適用範囲とし、

どういったタイプの教育機関を想定する
か(言い換えれば、類型化するか)は、

制度設計をするうえで非常に重要になる
わけです。

それは単に、制度の守備範囲を決めると
いうだけではなく、

各教育機関、教育サービスの質を担保し
(言い換えれば、教育内容を標準化し)、

そこから逆算で、資格取得に必要な試験
や実習の内容を決めなければならなくなる
わけで、

この日本語教育機関の類型化が、本制度の
まさに肝ということができるわけですね。

で、現在のところ、ひとまず「留学」
「就労」「生活」の3タイプに類型化し、

今後の動向を見て、さらに必要と思われる
ものは追加していこうということで議論は
落ち着きました。

各タイプを実施する教育機関について
言うと、

「留学」とは、法務省告示日本語教育機関
(及びそれを目指す機関)

いわゆる日本語学校です。

「就労」とは、就労者向けの日本語教育を
行う機関。

ビジネスパーソンを対象とした日本語学校
等がこれにあたります。

「生活」とは、地方自治体(公的な性質を
持つ地域の日本語教室)です。

もちろん、この3類型にもいろいろな意見
があります。

たとえば、地域の日本語教室といっても、
さまざまな形態があって一律に基準を定め
るのは難しい、とか、

大学別科をどのように扱ったらいいのか、
とか、

児童生徒に対する日本語教育も重要である
ことから、

「就学」というカテゴリーを設けるべきで
はないか、など。

この日本語教育機関の類型化の問題は
これからもかなり議論されることだと
思われます。

私としても、こうした会議はできるだけ
傍聴して、議論の行方を見守っていきたい
と思います。

で、今回の会議では、今月27日に実施する
篠研企画セミナーにご登壇いただく工藤尚
美様も委員として参加しており、

会議の中で重要なご指摘をなさいました。

それは、

「『就労』という類型は、本制度には
そぐわないのではないか。」

というものです。

これについては、私の考えを述べたいの
ですが、長くなりそうなので次回に回し
ます。


日本語教師をめざす方、現職日本語教師の方のための無料メルマガ
無料メルマガ「篠研の“日々成長する教師”」

授業の小ネタや授業実践のコツ、教師としての考え方、息の長い日本語教師になるための知恵などを週2日(火・木)でお届けします。

さらに、今ご登録なさると特典が無料でダウンロードできます。
特典 「精読指導の秘奥義」(全24ページ)

解除はもちろんのこと、メールアドレス変更など個人データの編集も簡単ですので、ご安心ください。プライバシーポリシーをご確認の上、ご登録を希望されるメールアドレスを入力し、ご希望の項目ボタンを押してください。

  メールアドレス【必須】
  お名前(姓)【必須】
  お名前(名)【必須】
  よみがな【必須】
  都道府県【必須】 なお、海外在住の方は「海外」をお選びいただき、下記項目に例のようにご記入ください。
  海外にお住まいの方は「ベトナム(ホーチミン)」のようにお書きください。