ベトナム人はなぜ94円を「キュージューヨーエン」と言うのか。
ベトナム人学習者の日本語を聞いて
いると、
「なんで余計なところで音を伸ばしたり、
伸ばさないといけないところで短く
言ったりするんだろう。」
と思ったことはありませんか。
例えば、
「94円」を「キュージューヨーエン」
と言ったり、
「学校に入ります」を
「がっ こう にー はい りー ます」
と言ったり。
一方で、ベトナム人学習者がベトナム語を
話しているのを聞くと
「なんか、いつも一定のリズムで話す
ような話し方だな。」
ということに気づかされます。
例えば、ベトナム語で「またね」は、
「ヘン ガップ ライ」
というそうですが、「ヘン」も「ガップ」
も「ライ」も、同じ音の長さでリズムを
取っているのです。
こちらが、その音声。
この点について、
金村久美先生が書かれたご著書
『ベトナム人に日本語を教えるための
発音ふしぎ大百科』ひつじ書房
https://amzn.to/3kcLoMj
で、以下のように書かれています。
(↑上記の本、お勧めです。)
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ベトナム語では、子音+母音(CV)や、
母音だけ(V)や、
母音+子音のような構造が1音節となり、
1リズム単位になることもあります。
ただし、どのような構造の音節が並んでも、
リズムは一定です。
すなわち、V、VV、CV、VC、CVC、CVVCと
いったいろいろな音節がありますが、
構成要素の数に合わせてリズムが長くなっ
たり短くなったりすることはなく、
均一なリズムが刻まれます。
音節内の各構成要素の持続時間は一定で
はなく、
例えばVという音節とCVCという音節との
リズムを均一にするため、
Vという音節の母音VはCVCという音節のV
よりも長くのばされます。
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先の「94円」で言うと、
「キュー」も「ジュー」も「エン」も
2拍の長さで発音するので、
それに合わせて「ヨ」も「ヨー」と
発音するわけですね。
これについては、日本語でも同じような
現象があって、
例えば、曜日の読み方も
「げつ か すい もく きん ど にち」
とは言わずに、
「げつ かー すい もく きん どー にち」
と、「か」と「ど」を2拍分に伸ばして
発音することで、リズムを一定に保って
います。
ベトナム語の場合、その傾向が顕著だという
わけですね。
なるほど!
原因が分かれば、次はどう発音指導をしたら
いいのかということになるわけですが、
皆さんなら、どのように指導なさいますか。
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考えてみてください。
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↓
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おそらくこの辺りは、通り一遍の指導では
ダメで、
ベトナム人学習者の言語感覚にフィットする
ような指導をするのがベストでしょう。
もちろん、本書でも紹介されているのですが、
できれば著者の先生から直接指導ノウハウを
知りたいところです。
そこで、3月13日(土)に下記セミナーを
開催することになりました。
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篠研企画 金村久美オンラインセミナー
「ベトナム人学習者に対する発音指導のポイント」
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日 時:2021年3月13日(土)9:00-16:30
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一般 20,000円(税込22,000円)
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という方、ぜひご参加ください。