授業準備の時間を劇的に減らす技術(2)。
例えば、初級の文型指導を考えてみましょう。
初級文型指導手順は、概ね以下の通りです。
1.新出語彙の導入(絵カードなどを使って)
2.新出文型の導入
(同じく絵カードなどを使って2パターン
ぐらい。)
3.文型の補足確認
(例えば、「~てある」の前には他動詞が
来るとか。)
4.文型練習(パターンプラクティス)
これが頭にあるのとないのとでは、
授業準備にかかる時間は雲泥の差です。
ただし、大枠ではこれでいいとしても、
具体的な内容はやはり扱う文型によって
違います。
なので、いざ授業準備となると、
文型導入の場面設定も、補足説明の内容も
あるいは、絵カードのデザインも、
それぞれ自分で考えなければなりません。
時間がかかるのは、まさにそこ!!(笑)
そこで私がご提案するのが、TTP方式。
TTPとは、
「指導マニュアルを
T(徹底)
T(的に)
P(パクる!)。」(笑)
こういう言い方をすると、罪悪感を覚える
方が少なからずいらっしゃると思います。
特に、養成講座等で実習を経験したことの
ある方は、指導の先生から、
「マニュアルに頼っちゃダメ!
授業は自分で考えなさい!」
と口酸っぱく言われてきたのではない
でしょうか。
その通りです(笑)
最終的には、オリジナリティあふれる
授業を
常に授業で出していける教師力を身につけ
ないと、息の長い日本語教師にはなれません。
ですが、そういう力を身につけるには
やはりある程度の経験の蓄積が必要です。
まだ経験の浅い教師、あるいは経験のない
教師が一からすべて自分で考えていたら、
時間がやたらとかかるばかりか、
セオリーから大きく逸脱した授業プランを
作ってしまう可能性も大いにあります。
結果、不利益を被るのは学習者。
であれば、
最初のうちは徹底的に指導マニュアルを
真似てみてはいかがでしょうか。
マニュアルは、その筆者が十数年、何十年
かけて培ってきた指導ノウハウの結晶です。
まずはそれをしっかり読み、その意味を一つ
一つ理解しながら、授業プランを組み立てる。
そして、授業前に最低2回はシミュレーショ
ンをやる。
その方が、最初のうちは結果的に短い時間で、
しかもクオリティの高い授業を実施できる
のです。
もちろん、できれば1つのマニュアルだけ
ではなく複数のマニュアルに目を通せば、
よりいいですね。
ただし、これはあくまでも初級の授業手順を
身につけるための一時的な手段。
他人のアイデアで授業をしているわけです
から、時給が低くても文句は言えません。
なので、あくまでも「一時的な初期段階」と
いうことを念頭に置いてさらなる高みを目指
してくださいね。