動詞の活用から今を生き抜く思考法を読み解く(その3)
前回出した宿題、やってみましたか?
(前回と同じフレーズ(笑))
しつこく繰り返しますが、
今やっていることは、
単に日本語の動詞の活用ルールを
知るということではなく、
【これからの時代を生き抜くための
大変重要な思考を身につける】
というかなり大きな狙いがあります。
まず、前回は五段動詞と一段動詞の語幹を、
全部「●●」に置き換え、
動詞の活用のルールを抽出しました。
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辞書形 五段動詞 一段動詞
●●・u ●●・ru
・ナイ形 ●●・anai ●●nai
・マス形 ●●・imasu ●●・masu
・テ形 ●●・ite ●●・te
・受身 ●●・areru ●●・rareru
・可能 ●●・eru ●●・rareru
・使役 ●●・aseru ●●・saseru
●●・asu
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そして、このルールに沿って架空の動詞
「くじらる」「ひつじる」を活用してみる。
これが宿題。
「やったけど、
めっちゃめんどくさかったぁ。」
という方。
めんどくさいことを、しっかりやりきった
あなたは、
【これからの時代を生き抜くための
大変重要な思考を身につける】
だけの素地を持たれている方です。
その姿勢を継続すれば、必ずや生き抜く
ことができるでしょう。
そりゃそうですよね。
この世の中は、他人がめんどくさがる
ことをやる人に仕事が回ってくるわけ
ですから。
そう考えれば、
めんどくさくて宿題をしなかった方は、
残念ながらこれからも時代の流れに翻弄
される可能性が高いです。
何もしなければ、流れるままは世の常。
そして、答え合わせの結果、見事正解した
方は、
間違いなく、
【これからの時代を生き抜くための
大変重要な思考を身につける】
ことができている方。
このあたり、詳しくは次回にお話し
いたしますが、
まずは、答え合わせから行きましょう。
この時、まず最初に考えないといけないのは、
「くじらる」
「ひつじる」
がそれぞれ何段動詞か、ということ。
上の活用ルールを見て、一番分かり
やすいのは、
辞書形の活用語尾が「u」の時は五段動詞。
「ru」の時は一段動詞。
さらに、一段動詞の場合、「ru」の前は
母音「i」「e」のどちらか。
つまり、末尾が「-iru」「-eru」の動詞は
一段動詞になりうる。
でも、例えば「走る(hashiru)」や
「蹴る(keru)」のように、
五段動詞でも末尾が「iru」「eru」になる
ものもあります。
つまり、「iru」「eru」は五段動詞にも
一段動詞にもなりうると。
あとは、語幹と活用語尾の境目をどこに
置くか次第。
以上を踏まえて、「くじらる」「ひつじる」
を見てみると、
「くじらる(kujiraru)」
「ひつじる(hitsujiru)」
「くじらる」の末尾は、「ru」ですが、
その直前の母音が「a」なので、一段動詞
ではない。
従って、五段動詞。
で、語幹と活用語尾の境目は、動詞の活用
ルールに沿って考えると、
「くじらる(kujirar・u)」
となります。
一方、「ひつじる」の方は、結論から言うと
こうなる(急に雑な説明(笑))。
「ひつじる(hitsujir・u)」(五段動詞)
「ひつじる(hitsuji・ru)」(一段動詞)
以上を踏まえ、活用表を作ってみると、
以下のようになります。
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くじらる ひつじる
(kujirar・u) 五段動詞 一段動詞
(hitsujir・u)(hitsuji・ru)
・辞書形 くじらる ひつじる ひつじる
kujirar・u hitsujir・u hitsuji・ru
・ナイ形 くじららない ひつじらない ひつじない
kujirar・anai hitsujir・anai hitsujinai
・マス形 くじらります ひつじります ひつじます
kujirar・imasu hitsujir・imasu hitsuji・masu
・テ形 くじらって ひつじって ひつじて
kujira(r・i)te hitsuji(r・i)te hitsuji・te
・受身 くじらられる ひつじられる ひつじられる
kujirar・areru hitsujir・areru hitsuji・rareru
・可能 くじられる ひつじれる ひつじられる
kujirar・eru hitsujir・eru hitsuji・rareru
・使役 くじららせる ひつじらせる ひつじさせる
kujirar・aseru hitsujir・aseru hitsuji・saseru
くじららす ひつじらす
kujirar・asu hitsujir・asu
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いかがでしょうか。
「しまった!『くじらない』って、書いちゃった。」
「あれ?『くじらる』のマス形は『くじります』
じゃないの?」
なんていう方、いませんか。
【最後の一手まで、ルールに沿ってできるか。】
【最後の最後に、誤った思考のショートカット
をしていないか。】
ここがとても重要なのです。
では、これまでの作業にいったいどのような
意味があるのか。
続きは、次回に。