動詞の活用から今を生き抜く思考法を読み解く(その1)
今日は、大学で「言語習得論」
の授業がありました。
この授業では、
▼人はどうやって母語を習得するの?
▼人はどうやって第二言語を習得するの?
ということを、学生と一緒に
考えたり体験したりして学ぶ
授業です。
受講生は、大学2年生。
ほとんどが日本人ですが、
留学生もいます。
ちなみに、ほとんどの学生にとって
日本語教育学は専門外。
第1回から今回までは母語の習得を
扱っています。
で、先週と今日は
「動詞の活用」
がテーマ。
先週は、動詞の活用表に
五段動詞「書く」
上一段動詞「起きる」
下一段動詞「寝る」
カ行変格活用動詞「来る」
さ行変格活用動詞「する」
の活用を書かせました。
もちろん、日本語教育文法
ですので、
書かない-書きます-書く・・・
ではなく、アルファベット併記で
書かない -書きます -書く・・・
kak・anai kak・imasu kak・u
で書かせました。
こうすると、語幹と活用語尾の
境目がより正確にわかるんですね。
日本人の学生で日本語の動詞の
活用ができないという学生は
当然ながらいません(みんな言える)
でも、実際にそのルールを正確に
活用表に再現できる学生はほとんど
いない。
ましてや、動詞の活用をアルファ
ベットで表記したことなどないので、
みんな、あたふた、あたふた。
ここにきてようやく、学生たちは
日本語の動詞の活用ルールの複雑さを
思い知らされるのです。
そこで、私が、
「母語とはいえ、よくこんな複雑な
ルールを、3歳や4歳で身につけた
よね。
まだ『動詞の活用』なんて概念すら
知らない歳だよ。
いかに母語習得というのが、不思議な
営みかってことがわかるよね。」
というと、学生は一斉に納得の嵐。
もちろん、この時点で学生たちは
動詞に「テ形」なんぞがあるという
ことすら知りません。
ちなみに、「テ形」とは、「書いて」
とか「読んで」のように、
「-て」の形をとる動詞の活用形の
ことを言います。
それにしても、
私たち日本人は、「テ形」の存在すら
知らないのに(学校で勉強しないし)、
ちゃんとすべての動詞のテ形が正しく
言えるというのは、
改めて考えてみると、すごいことです
よね。
外国人がテ形をマスターしようとしたら、
なかなか大変です。
と、ここまでが先週の授業の話。
ここから、今日やった授業の話に
なるわけですが、
その前に、みなさんに明日までの宿題です。
「えーー!めんどくさい!」
「なんで無料メルマガで宿題しなきゃ
なんねぇーんだよ。」
そう思いましたか。
ですが、
これからやろうとすることは、
単に日本語の動詞の活用ルールを
知るということではなく、
【これからの時代を生き抜くための
大変重要な思考を身につける】
という狙いがあります。
ですので、
「この大変な時代を生き抜きたい。」
と強く思われる方は、
「だまされた。」と思って
(↑なんか変な言い方(笑)
だまされたらダメじゃん(笑))
ぜひ下の宿題にチャレンジしてみて
ください。
次回、答え合わせをしますね。
---------------------
【宿題】
五段動詞「書く」、上一段動詞「起きる」
下一段動詞「寝る」の活用を、
例にならって書きなさい。
なお、語幹と活用語尾の間に「・」を
入れること。
辞書形 例)書く 起きる 寝る
kak・u
・ナイ形
・マス形
・テ形
・受身
・可能
・使役