検定試験出る問シリーズ(5)-謙譲語Iと謙譲語IIの違いは?
敬語は、検定試験にも毎年のように
出題される常連項目。
そして、敬語が出題されるとほぼ100%
「謙譲語Iと謙譲語IIの違い」
が問われるわけですが、
私たちにはあまり馴染みのないものである
だけに、
「違いがよくわからない。」
という方が多いようです。
そういうこともあって、私の検定対策
セミナーでは、敬語の問題をよく扱って
います。
で、この謙譲語Iと謙譲語IIの違いが
一発でわかる例文があります。
下の問題を考えてみてください。
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【問題】
「言う」の謙譲語には「申す」と「申し上げる」
があります。
では、下の例文で正しいのはどちらでしょうか。
・私はやくざに「人殺しはやめろ!」と
( 申し上げました 申しました )。
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正解は、「申しました」。
なぜか。
「申し上げました」にすると「やくざ」に対して
敬意を表した表現となってしまうからです。
ところが、「やくざ」は社会通念上、敬意を表す
対象としてふさわしくない。
だから、おかしいとなるわけです。
つまり、「申し上げました」は「言う」という
行為の向かう先の相手を立てて述べる謙譲語。
こういう謙譲語を「謙譲語I」といいます。
一方、
「申しました」は、聞き手(あるいは読者)に
対して敬意を表した表現。
この場合、聞き手(あるいは読者)が自分より
目上の人であれば、全く問題ありません。
つまり、「申します」は会話であれば聞き手、
文章であれば読者を立てて述べる謙譲語。
こういう謙譲語を「謙譲語II」といいます。
しかも、この謙譲語IIは、聞き手(読者)に
対して丁重に述べた言い方。
なので、別名「丁重語」とも。
イメージとしては、「超丁寧語」といった
ところでしょうか。
以上のことから、答えは「申しました」と
なるわけです。
ですので、もし今年の試験にも敬語が出題され、
「謙譲語Iと謙譲語IIの違い」
が問題に出たら、
この「やくざの例文」を思い出して、ほくそ
笑んでいただければ(笑)と思います。
また、敬語の問題は文化庁が出したこちらの
文書がほぼネタ元となっていますので、
ぜひご覧ください。
文化庁『敬語の指針』
https://bit.ly/2CkrLhq
さすがに「やくざ」の例文はありませんが(笑)