「総合的対応策(改訂)」を読む(14)。

「総合的対応策(改訂)」を読む。

今回は、14回目。

「総合的対応策(改訂)」とは、下記報告書
を言います。

「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(改訂)」
http://www.moj.go.jp/content/001311603.pdf

今回は「II 施策」のうち、

「4 新たな在留管理体制の構築」

の1回目。

「(1) 在留資格手続の円滑化・迅速化 」
「(2) 在留管理基盤の強化」

です。

今回は、在留管理の根幹の部分になります。

教育現場とは直接かかわらないかもしれませんが、
学生管理という面では重要な部分ですので、
しっかり読んでいきましょう。

それでは、早速見ていきましょう。

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4 新たな在留管理体制の構築

(1) 在留資格手続の円滑化・迅速化

【現状認識・課題】

我が国における中長期在留者の増加に伴い、地方出入国
在留管理官署の窓口が混雑し、在留諸申請のための待ち
時間が長時間に及んでいる。

また、在留諸申請の増加に伴い、地方出入国在留管理官
署においては各種問合せへの対応や申請書類の管理等の
業務が増加し、

円滑かつ迅速な在留資格手続に支障を来している上、

「特定技能」の在留資格の創設に伴い、我が国での就労
を希望する外国人が増加することも見込まれる。

こうしたことから、在留外国人が地方出入国在留管理官
署の窓口において在留諸申請の受付のために長時間待つ
ことのないよう、

外国人の負担軽減を図るとともに、在留資格手続の円滑
化・迅速化を図るため、申請手続の合理化を進める必要
がある。

【具体的施策】

○ 在留申請手続のオンライン化について、令和2年春頃
を目途に対象手続を在留資格変更許可申請、在留資格認定
証明書交付申請及び就労資格証明書交付申請に拡大する。

また、「特定技能」の在留資格による外国人の所属機関が
行う雇用契約の終了等に関する出入国在留管理庁長官に対
する届出をオンラインで行うためのシステムの整備について、
引き続き検討を行う。

さらに、外国人の受入れ状況に係る情報を継続的に把握し、
受入れ機関単位で情報を管理・把握するための情報基盤の
整備

及び特定技能外国人の受入れ機関が行う出入国在留管理庁
長官に対する届出をオンラインで行うためのシステム整備
についても、引き続き検討を行う。
〔法務省〕《施策番号 142》

○ 地方出入国在留管理官署において、在留資格認定証明書
交付時に代理申請者である全ての受入れ機関等に対してマ
イナンバーカードの申請案内等を行うとともに、

在外公館における査証申請時にマイナンバーカード申請書
の確認等を通じ再度周知等を行う。

さらに、新規上陸時において、全ての中長期在留者に対し
て、

市区町村での住居地届出義務の案内と併せてマイナンバー
カードの取得の周知等を行っているところ、これを継続し
て実施する。

また、地方出入国在留管理官署において、在留期間更新許
可申請時等に来庁する全ての中長期在留外国人に対して、
マイナンバーカードの交付申請等を周知するとともに、

特に中長期在留外国人の来庁者が多い地方出入国在留管理
官署において、

所在地の市区町村と連携して申請支援を行うモデル事業を
実施し、

実施状況等を踏まえて、市区町村の要請を受けて、横展開
を行う。

これらの対応を行うことにより、中長期在留者のマイナン
バーカードの円滑な取得を図る。
〔法務省、外務省、総務省〕《施策番号 143》

○ 新生児の住民票作成時において、住民票作成手続等と
一体的にマイナンバーカードの取得促進を図ることにより、
マイナンバーカードの円滑な取得が可能な環境を整備する。

引越しの際の転入時にも、住民票作成手続等と併せて確実に
マイナンバーカードの書換え手続等を行う。

新規に上陸する中長期在留外国人についても、上記の取組と
同様、住民票作成時における円滑な取得環境を整備する。

あわせて、在留カードとマイナンバーカードとの一体化につ
いても、引き続き、検討する。
〔総務省、法務省〕《施策番号144》

○ 地方出入国在留管理官署における在留諸申請について、
在留資格変更許可申請及び在留期間更新許可申請の標準処理
期間(2週間から1か月)内の処理を励行する。

特に、中小・小規模事業者をはじめとした人手不足の深刻化
に対応するため、

特定技能外国人が地域において速やかに就労を開始できるよ
う、

地方出入国在留管理官署においては、「特定技能」の在留資
格に係る在留諸申請及び登録支援機関登録申請に係る標準処
理期間内の処理を励行し、迅速な処理を行う。
〔法務省〕《施策番号 145》

○ 中小企業等が外国人材を雇用する場合の在留資格関係手
続の負担軽減に資するよう、

受入機関が一定の条件を満たす場合の在留諸申請手続におけ
る提出書類の簡素化について検討を行う。
〔法務省〕《施策番号 146》

(2) 在留管理基盤の強化

【現状認識・課題】

今後、外国人材の受入れはますます拡大し、その活動も多岐
にわたっていくと考えられることから、

外国人の在留状況・就労状況等を迅速かつ正確に把握し、的
確な在留管理を行うことがこれまで以上に重要になると考え
られる。

また、現状では、いずれの省庁の統計においても、どの業種・
職種に外国人がどの程度受け入れられているかを正確に把握
することができない状況にあるが、

外国人材の受入れの効果測定等を的確に行うためには、それ
らを統計上把握できるようにする仕組みが必要である。

あわせて、きめ細かく、かつ、機能的な在留管理等を実施す
るため、法務省の体制を整備することも求められている。

【具体的施策】

○ 令和2年3月から在留カード番号が追加される外国人雇
用状況届出情報を活用して、

外国人の就労状況の正確な把握、効率的な摘発のための偽装
滞在者等の特定を進める。

また、法務省が保有する外国人に関する情報と厚生労働省が
把握する外国人雇用状況届出情報が突合できない事案や、

外国人雇用状況届出の未届が疑われる事案等の迅速な把握に
より、より一層適切な雇用管理、在留管理を図るため、

法務省が保有する外国人に関する情報と外国人雇用状況届出
情報をオンラインで連携する検討を進める。
〔法務省、厚生労働省〕《施策番号 147》

○ 在留資格変更許可申請書・在留期間更新許可申請書等の
記載事項の更なる見直しの検討を含め、

在留外国人について業種別・職種別・在留資格別・地域別等
の就労状況を正確に把握し、外国人雇用状況届出情報ととも
に、

外国人の就職状況をシームレスに把握し外国人の就労に関す
る統計の充実・活用を図る。〔法務省〕《施策番号 148》

○ 就労目的の外国人の雇用形態、賃金等を把握することが
できるよう、統計調査等を引き続き実施する。
〔厚生労働省、法務省〕《施策番号 149》

○ 出入国在留管理庁において、外国人の円滑な受入れやそ
の受入れ環境の整備に関する業務を適切に遂行することが
できるようにするため、

その職員に対する研修の充実や必要な出入国管理システムの
改修を含め人的・物的体制の整備を図ることとする。
〔法務省〕《施策番号 150》

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こうしてみてみると、何としてもマイナンバーカードを
普及させたいという国の意図が見えてきます。

日本人も外国人もマイナンバーカードで一括管理し、
それによって業務の効率化を進めていきたい、

ということなのでしょう。

「あわせて、在留カードとマイナンバーカードとの一体化につ
いても、引き続き、検討する。」

という文言もありますが、

もしこれが実現すれば、日本語学校等での学生管理の在り方も
変わってくるかもしれませんね。

皆さんは、どうお考えになりましたでしょうか。


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