基本は初歩ではない。

基本と初歩。

よく似た言葉ですが、その意味するところは
まったく違います。

「初歩」とは、

「学問・技術・芸事などの習いはじめ。初学。手はじめ。」

-goo国語辞書

一方、「基本」とは、

「判断・行動・方法などのよりどころとなる大もと。基礎。」

-同上

つまり、初歩は初学者が知識やスキルが未熟などの理由で、
習い始めのときにだけする、一時的・便宜的な思考や行動、

従って、知識やスキルが上達すればやめていい、忘れて
いい思考や行動のことです。

 

一方、基本は、初学者はもちろん熟達者になっても
必ず守らなければならない原理原則、鉄則です。

 

例えば、自転車に乗ることを考えてみましょう。

 

まだ2輪車に乗れない人は、転ばないように補助輪を
つけて自転車に乗る練習をします。

ですが、しばらく練習して、2輪車に乗れそうになったら
補助輪を外して練習します。

つまり、補助輪は自転車にうまく乗れるまでの一時的な
措置。

だから、これは初歩。

 

ですが、自転車に乗っている時、いつもブレーキに
軽く指をかけて走るのは、初学者でも熟達者でも
必ず守らなければなりません。

そうしないと、何かあったときにとっさに自転車を
止めることができず、大事故につながる可能性が
あるからです。

まさに、これは自転車に乗るための原理原則、鉄則。

これが基礎なのです。

 

では、私たちが自転車を正しく使いこなせるために
必要なことは何かというと、

学び初めの段階から、徹底的に基礎を体に叩き込む
ことです。

 

自転車に乗ったら、無意識にブレーキに軽く指を
かけるようになるまで、繰り返し行動して、習慣化
させることが絶対に必要。

 

この習慣的行動によって、とっさのときにブレーキ
をかけて事故を回避することができるのです。

 

それをないがしろにして、派手でアクロバットな
乗り方の練習ばかりをしているとどうなるか。

 

もはや説明するまでもありませんよね。

 

検定試験の勉強も同じです。

 

基礎・基本をなおざりにして、奇抜な知識、
重箱の隅をつつくような知識ばかりに走ると
どうなるか。

 

そういう知識は往々にして利用範囲が狭いので
少し出題の切り口が変わっただけで、たちまち
訳が分からなくなってしまいます。

 

一方、基礎・基本は、物事の本質、原理原則
であるだけに応用範囲が広く、波及効果が高い。

 

初めて見るような切り口の問題を見ても、
基礎・基本から辿って考えられるので、

「なるほど、これはつまりこういうことだから
ここがポイントなんだな。」

と、すぐにその問題の本質を見抜くことができ
るのです。

 

もちろん、結果も推して知るべし。

 

であれば、検定試験に合格するためには

何をおいても基礎・基本を徹底的に押さえる
ということが、絶対的に必要なのです。

 

基礎・基本を身体知レベルまで徹底的に叩き込み、

試験問題を見ただけで半自動的に正しい思考が働く
レベルに達しなければ、

検定試験合格はおろか、時間内に問題を解き切る
ことすらできないのです。

 

では、どのような知識が基礎・基本の知識なのか。

 

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