いつもの範読がスリリングに活動に変わるフィンガー・リーディング。
今回は、こちらの書籍から。
畑中先生と言えば、中学生を英語の虜にさせる
英語授業の達人。
本書には、日本語教育にも応用できる
さまざまなtipsが紹介されています。
今回は、その中から日本語教育でも使える
アイデアをご紹介します。
「範読」とは、読解の授業などで教師が本文を
模範読みすること。
付属の音声教材を聞かせることもありますね。
ところが、学習者にただ聞かせるだけだと、
ちゃんと聞いている学習者もいれば、
ボーっとして聞いていない学習者もいます。
畑中氏も本書の中で、
「そのような生徒にとって教師の範読は
無駄な時間である。」(p.74)
と断言しています。
「もっとちゃんと聴かせたい。」
「できれば、もっとスリリングに聴かせたい。」
そう思うのは、私だけではないはず。
そこで登場するのが、
「フィンガー・リーディング」
フィンガー・リーディングとは、教師の範読に沿って
学習者に本文を指でなぞらせること。
シンプルですが、これによって学習者が
教師の範読に沿ってちゃんと聞いているか
一目でわかります。
さらに、こんな工夫をするとノペッとした範読活動が
一気にスリリングな活動になります。
(1)突然読むのを止めて、生徒の指先が正しい位置に
あるか見て回る。
(2)1回目は普通に読み、2回目は早く読む。
(3)学習者ペアでさせる。読むほうは猛ダッシュで読む。
(4)わざと間違って読み、最後に「気づいた人?」と当
てさせる。
(2)については畑中氏は以下のように実践報告しています。
「負荷を変えるのがコツ。「えっ!どこどこ?」「キャーッ!」
「よし!」などという声がわき上がる。」(p.75)
ただし、こんな注意も。
「生徒がノるからといって3回以上やると、それこそ時間の
無駄になる。」(同上)
学習者が目を輝かせながら教師の範読に夢中に取り組む姿、
思い浮かびませんか。
ぜひ、試してみてくださいね。