子音の調音点は●段の音をチェックせよ!
前回に引き続き、音声学の話。
検定試験試験I問題1でよく出題されるものに
子音の調音点の仲間外れを選ばせるのがあります。
ちなみに、子音を特徴づけるのは以下の3つ。
1.声帯振動の有無
2.調音点
3.調音法
子音ごとにこれをしっかり押さえておけば
どんな問題でも楽勝です(^_^)
で、子音の調音点を問う問題への攻略法は、
「五十音図のイ段の子音をチェックする!」
です。
どうしてかというと、実はイ段の音だけ他の段と
調音点が違うことが多いからです。
例えば、
サ行であれば、シだけ後部歯茎。他は歯茎。
タ行であれば、チだけ歯茎硬口蓋。他は歯茎。
ナ行であれば、ニだけ歯茎後硬口蓋。他は歯茎。
ハ行であれば、ヒは硬口蓋。他はいろいろ。
当然、検定試験でも例外的なイ段の子音の
調音点が毎年軒並み出題されると。
で、どうしてイ段の音だけ他の段と調音点が
ずれているのかというと、
実は、イ段の音だけ他の段より調音点が硬口蓋
(=上あごのてっぺんの固い部分)にずれるから
なんです。
これを口蓋化といいます。
言われてみれば、固い硬口蓋のところで出される
だけあって、
イ段の音は他の段よりちょっと固い音調に聞こえ
ませんか。
また、サ行、タ行、ナ行、ハ行というと、
「じゃあ、カ行のキは?」
と思われるかもしれません。
カ行のキも実は少し硬口蓋に寄っています。
しかし、音声記号を変えなければならないほど
調音点が大きくずれるほどではないだけ。
以上のことから、子音の調音点を押さえる場合、
まず、ベースとなるイ段以外の段の調音点を
押さえた上で、
特にイ段の子音の調音点をしっかりチェック
する。
そうすれば、かなり楽に整理できると思います。
最後にもう一言。
ハ行の子音は神出鬼没の暴れん坊だから気をつけろ!(笑)
……てな話を基礎固めセミナーでやります(^_^)