「説明型授業」ではなく「質問型授業」(2)
前回、「説明型授業」の弊害には、
大きく2つあることをお伝えしました。
その2つとは、
1.教師の授業準備が膨大になる
(やってもやっても終わりがない)。
2.学習者の日本語力が上がらない(むしろ下がる)。
この2つというのは、まさに現場教師が一番
頭を悩ませていることではないでしょうか。
そして、その原因は、何を隠そう自分自身の授業の
進め方にあるのです。
逆に言えば、授業の進め方を変えれば、
・授業の準備が少なくなり、
にもかかわらず、
・学習者の日本語力が上がる
素晴らしい(^_^)
自分でコントロールできるわけですから、
コツをつかめば、明日からでもすぐできます。
いいですよね(^_^)
では、どうして「説明型授業」だとうまく
いかないのか。
今回は、このうち1.について説明しますね。
そもそも、どうして「説明型授業」だと授業準備が
膨大になるのか。
理由は簡単です。
説明するネタを事前に充分揃えなければならない
からです。
もちろん学習項目に関する最低限の準備は必要
です。
しかし、
「ちゃんと説明しきれる授業をしなきゃ。」
「学習者からの質問に答えられなきゃ。」
という意識が強く働くとどうなるでしょうか。
学習者からの質問をできるだけ予想し、
それぞれに答えを用意しておかなければ
なりません。
しかしながら、学習者の質問を100%予想
することなど不可能です。
結局、いくら準備をしても
「準備したもの以外の質問をされたらどう
しよう。」
という不安から逃れることはできない。
そうすると、「まだ足りない。まだ足りない。」
といってさらに準備に労力を注ぐことになる。
悪循環に陥るのです。
それだけではありません。
指導項目を学習者に理解してもらうためには
学習者にどうプレゼンするかも大切です。
学習者の分かる日本語で、そして、分かる
情報量、分かる内容、分かる順番で説明する。
こういったことの検討もとても大切。
ですが、それをすべてちゃんとやろうとすると、
1時間の授業の準備に、いくら時間があっても
たりないということになるのです。
「説明型授業」でやろうとすると、必然的に
そうなってしまうのです。
仕組みとしてそうなってしまうのです。
結果、授業のときにはすっかり疲れ果てている。
しかも、学習者の成績がそれほど上がらない。
これでは、あまりにも悲しすぎると思いませんか。