初級の文型導入は、「型」8割、「工夫」2割。
実習経験が必ずしも十分ではないからでしょうか、
養成講座を修了した方でも、
「初級の文型導入をどうやったらいいのか、
よくわからない。」
という方が多いようです。
特に、
・授受表現
・のだ文
・受け身
・条件表現
・「てある」「ておく」
・謙譲語、尊敬語
等は、苦手意識を持っている方が多いようですね。
ですが、初級の文型導入は、導入する文型で
授業が全く変わるということはありません。
どんな文型導入でも、まさに「型」というべき
共通の授業手順があるのです。
そのうえで、文型固有の授業アレンジ(=工夫)を
加えれば、
どんな文型導入でも難なく行うことができます。
私の感覚で言えば、
「型」と「工夫」の割合は、概ね8:2。
ということは、授業の「型」をマスターすれば、
それだけで授業負担はかなり軽減される
ということです。
では、その授業の「型」を受け身を例にご紹介すると、
1.導入文型の提示「今日は受け身を勉強します。」
↓
2.文型の導入(2~3パターン)
例)
T:先生が私をほめました。(能動文の提示)
私は・・・
S:・・・
T:先生に褒められました。(受身文の提示)
私は先生に褒められました。(←例文提示)
S:私は先生に褒められました。(コーラス。その後ソロ。)
↓
3.文法等の説明
・主語と対象が交代する。
・それに伴って格助詞も変わる。
・それに伴って動詞が受身の形になる。
↓
・動詞の受身の形を活用の種類ごとに提示。
↓
4.文型練習(パターンプラクティス)
・動詞の受身の形を作る変形練習(コーラス→ソロ)
・文レベルの文型練習(コーラス→ソロ)
・簡単な談話レベルの文型練習(コーラス→ソロ)
ざっとこんな感じです。
この、
1.導入文型の提示
2.文型の導入
3.文法等の説明
4.文型練習(パターンプラクティス)
という鉄板の手順をしっかり踏まえれば、
授業に安定感が出てきます。
そのうえで、文型固有のアレンジ、
例えば、
文型導入をわかりやすいものにするとか
(受身では、能動文からの受身文提示が鉄板。)
文法説明を過不足なく行うとか、
文型練習を、学習者が飽きないように
トリッキーな要素を入れ込むとか、
すればいいわけです。
ただ、そこで大切なのは、やはり一度一通り
やってみるということ。
そうすると、
絵カードを提示する具体的手順とか、
コーラス、ソロをするタイミングとか、
真正性の高い文型練習の方法とか、
がわかってきます。
できれば、経験豊富な方にみてもらうと
いいですね。
そうすると、自分では思いつかないような
授業アイデアを教えてくれることもあるでしょう。
初級の文型導入は、「型」8割、「工夫」2割。
ぜひ、これを意識してみてください。