コースが終了するまでシラバスが完成しないって、あり?なし?
通常、シラバスというと、コース開始前に
しっかり決まっていて、
それをもとに、クラスごとにコースデザイン
をし、
プレイスメントテストで振り分けられた学習者を
それぞれのレベルに合ったコースに流し込む。
そんなイメージを持たれる方が多いかもしれ
ません。
そう考えると、
「コースが終了するまでシラバスが完成しないって
ありえない!!無責任にもほどがある!!」
と思われるかもしれませんね。
ですが、結論から言いますと、
「あり」「あり!」「大あり!!」(笑)
です。
このように、コース終了時に確定するシラバスのことを
「後行シラバス」
と言います。
後行シラバスとは、コース終了時に確定するシラバスの
ことです。
例えば、仕事の都合等で毎回レッスン参加が難しいビジ
ネスピープルの場合、
「積み上げ式」の授業を行うと、学習者はたちまちドロッ
プアウトしてしまいます。
そこで、いつ授業に参加してもスムーズについてこられる
よう、
各回完結型の教材(これをモジュール教材といいます。)を
使ったコース運営をすることがあります。
この場合、参加した授業によって、学習者それぞれのシラ
バスが異なり、
コース終了時に最終的なシラバスが確定することになる
わけです。
日本語学習者は、実に多様です。
国籍、年齢、ニーズ、レディネス、日本語
学習歴、在留資格がさまざまなら、
学習スタイルもまたさまざま。
ですので、授業の進め方も学習者に合わせて
フレキシブルに行うことが肝要です。
ちなみに、シラバスは完成時期によって
▼先行シラバス
▼後行シラバス
▼可変シラバス(プロセスシラバス)
の3種に分けられます。
私たち日本語教師も、学習者のニーズに対応
できるよう、
シラバス1つにしても、複数の選択肢をもって
おくと、
お互いハッピーな授業を展開することができる
んですね。