むずかしいことをやさしく。やさしいことをふかく。ふかいことを ゆかいに。
ちょうど2年前、私はこのメルマガで
どんなことを書いたのかと、ふと思い立ち、
バックナンバーを紐解いてみると、
2016年4月1日に、
「むずかしいことをやさしく。やさしいことをふかく。
ふかいことをゆかいに。」
と井上ひさしの言葉まんまのタイトルで
書いてあるのが目につきました。
読んでみると、我ながら
「なかなかえーこと書いとるやないか。」
と思いましたので、ここでシェアします。
以下、引用。
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このところ、冒頭で私のセミナーに
ご参加いただいた方々のご感想を
ご紹介しておりますが、
そこでふっと思い出したことが
ありましたので、書き綴ります。
それは、私が検定試験対策セミナー
で解説する際に気を付けている、
井上ひさしのことばです。
「むずかしいことをやさしく
やさしいことをふかく
ふかいことをゆかいに
ゆかいなことをまじめに」
難しいことを難しいまま、
例えば、
難しい専門用語を別のもっと難しい
専門用語で解説されても、
余計にわからなくなりますよね。
だから、私の場合、難しいことを
できるだけ誰でもわかることばに
かみ砕いて解説するようにしています。
ですが、それだけだと内容が
薄っぺらいものになってしまう。
だから、
「実は、この専門用語の背後には
こういう教育現場の状況があって、
この用語や考え方が出てきたことで
現場の問題が1つ解決したんですよね。」
と付け加える。
そうすると、そこに深みが出て、参加者の方も
「なるほど。ならば知っとこうかな。」
となるわけです。
さらに、
「でも、この専門用語の世界には、
ここだけの話、意外とこんな
間抜けな部分もあるんです。」
と、こぼれ話で笑いを取りつつ、
「というわけで、日本語教師はそういう部分も
ひっくるめながら業務にあたることが
大事なんですね。」
とまじめにまとめる。
そうすると、価値あるの高い情報として
参加者の脳髄にしっかり刻み込まれる
わけです(というのが、私の願い。笑。)
このことは、学習者に日本語を教える場合も
同様です。
時々、専門書で仕入れた専門用語を
そのまま使って学習者に日本語の説明を
している方を見かけますが、
そんな言葉で説明されても
チンプンカンプン。
頭に残るのは、ただただ
「煙に巻かれた感」
だけなんですね。
「むずかしいことをやさしく
やさしいことをふかく
ふかいことをゆかいに
ゆかいなことをまじめに」
日本語指導の際にも、
ぜひ参考にしてみてくださいね。
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とりわけ、今年度から日本語教師として
デビューする方。
本人は意識していなくても、
自分を大きく見せようとしたり、
自分自身でも消化しきれていないような
難解な言葉を、授業でそのまま使ってみたり、
駆け出しのころは、そんなことをして
しまいがちです(経験者は語るww)
でも、そんなことをしても学習者には
すぐに見透かされてしまいます。
それよりも、
「むずかしいことをやさしく
やさしいことをふかく
ふかいことをゆかいに
ゆかいなことをまじめに」
を意識しながら、肩の力を抜いて
嘘偽りのない等身大の自分で授業を
すれば、
きっと授業をスムーズに進めることが
できるでしょう。
「むずかしいことをやさしく
やさしいことをふかく
ふかいことをゆかいに
ゆかいなことをまじめに」
頭の隅に置いておいていただければ。