キーワードの正確な定義を押さえる。
日本語教育能力検定試験の勉強法として
まずもって心得ていただきたいのは、
【キーワードの正確な定義を押さえる。】
ということです。
キーワードとは、専門用語のことです。
なぜ、キーワードの正確な定義を押さえ
なければならないかというと、
1つは、実際に検定試験でキーワードの
定義を問う問題が、毎年一定数出題され
ているということ。
そして、何よりキーワードの正確な定義を
理解していなければ、
その後に続くさまざまな言語現象や教育理
論を正しく理解することができなくなるか
らです。
このように言うと、
「正確な定義の理解なんてめんどくさい。
とりあえずキーワードをちゃちゃっと
覚えればいいじゃないか。」
そのように思われるかもしれません。
ですが、それは一見早道のようですが、
実は、後々学び直しが必要になってくる
ため、かえって余計に手間がかかるのです。
多少手間がかかっても、最初の段階で正確な
定義の理解をしておいた方が、
後々学習に加速度が出てくるのです。
例えば、日本語教育能力検定試験に毎年の
ように出題されるキーワードに
「自動詞と他動詞」
があります。
皆さんは、自動詞と他動詞の正確な定義を
言うことができますか。
「簡単、簡単。
動詞の前に『が』があるのが自動詞、
動詞の前に『を』があるのが他動詞
でしょ(^_^)」
なるほど。
では、以下の例文の「飛ぶ」は自動詞で
しょうか、他動詞でしょうか。
例)鳥が空を飛ぶ。
「そりゃ、『飛ぶ』の前に『を』がある
から他動詞でしょ。」
いいえ、「飛ぶ」は自動詞です。
なぜなら、この時の「を」は「飛ぶ」の
対象を表すのではなく、
単に「空」という場所を表しているから
です。
キーワードの正確な定義を理解せず、
表面的な理解に止まってしまうと、
このような間違いを犯してしまうんです
ね。
しかも、一度身につけた「誤った知識」は
修正するのがなかなか大変です。
では、自動詞と他動詞の正確な定義は
何なのかというと、
【自動詞:主体の自発的、自然発生的な動作や
変化を表す動詞。
「~ガV」の形をとりやすい。】
【他動詞:主体が他の対象に働きかける動作を
表す動詞。
「~ガ~ヲV」の形をとりやすい。】
このように正確な定義を理解すると、
「なるほど、《自》発的、《自》然発生的
だから《自》動詞、
《他》の対象に働きかけるから《他》動詞
なのか!」
と、すっきり理解できると思います。
また、先の「飛ぶ」はまさに「鳥」の自発的
な動作を表すから自動詞であると言えるわけ
ですね。
このように、最初に正確な知識をインストール
しておくと、
後々、自動詞・他動詞にまつわる様々な文法
現象を、スムーズに理解することができるの
です。
そういうこともあって、
通信講座「篠研の日本語教育能力検定試験対策」
の講義資料では、新しいキーワードが出てくる
たびに、正確な定義を紹介しています。
【キーワードの正確な定義を押さえる。】
よくよく肝に銘じておいてくださいね。